腎臓リハビリテーションの対象となる人

腎臓リハビリテーションはほぼ全ての腎臓病の患者さんに推奨される治療ですが、心臓や重度の糖尿病がある場合は、行わない方がよいこともあります。このページで詳しくまとめました。

尚、当院にかかりつけの患者様は必ず「腎臓リハビリテーション外来」を受診し、医師もしくは作業療法士からの説明をうけてください。

当院にかかりつけでない患者様は、主治医とご相談ください。

腎臓リハビリテーションをした方が良い人

腎臓病の軽症の患者さんから、透析の患者さんまですべての患者さんが腎臓リハビリテーションの対象です。

一番の対象は、ご高齢で、筋力や日常生活を行う力が減っている患者さんです。

腎臓病だと筋肉や骨がもろくなり、身体機能が7割程度に下がっているためリハビリテーションを行う必要があります。

また、腎臓リハビリテーションには腎臓を守る効果も期待されており、比較的若い腎臓病の方でも推奨されます。

腎臓リハビリテーションをしない方が良い人

心臓の病気、重度の糖尿病など腎臓以外の臓器に合併症がある場合、腎臓リハビリテーションを行わない方が良いこともあります。

絶対禁忌(絶対行わない方がよい)、相対的禁忌(行わない方がよい)、運動中の中止基準を腎臓リハビリテーションのガイドラインを参考に以下のようにまとめてみました。

<絶対禁忌>

  • 虚血性心疾患(2日以内の急性心筋梗塞、内科治療で安定していない不安定狭心症etc)
  • 不整脈(症状の訴えがあり、血圧などが安定していないなどコントロール不良の不整脈etc)
  • 心不全(コントロール不良で症状がある心不全)
  • 弁膜症(症候のある大動脈弁狭窄症など)
  • 意思疎通の行えない精神疾患
  • 急性大動脈解離
  • その他(急性の肺塞栓症または肺梗塞、急性の心筋炎または心膜炎など)

<相対的禁忌>

  • 虚血性心疾患(左冠動脈主幹部の狭窄 etc)
  • 不整脈(頻脈性不整脈または徐脈性不整脈、高度房室ブロック etc)
  • 弁膜症(中等度の狭窄など)
  • 重度高血圧(収縮期血圧200mmHg以上、拡張期血圧110mmHg以下)
  • 電解質異常
  • その他(肥大型心筋症またはその他の流出路狭窄、運動負荷が行えない精神的・身体的障害など)

<運動負荷試験の中止基準>

  • 症状:胸痛、呼吸困難、失神、めまい、ふらつき、下肢疼痛
  • 兆候:チアノーゼ、顔面蒼白、冷汗、運動失調
  • 血圧:血圧低下、異常な血圧上昇
  • 心電図:明らかな虚血性変化、調律異常(異常な頻脈・徐脈、心室頻拍、心房細動など)

患者さん個人個人の状態で、腎臓リハビリテーションを行うかを判断します。主治医とご相談をして頂くことをお勧めいたします。

リスク評価のための検査

腎臓リハビリテーションを行って良いかを決めるために事前にリスク評価の検査を行います。

心臓の評価

腎臓病の患者さんは心臓に何らかの異常を抱えていたりリスクが上がる可能性があるのでリスクをしっかり評価します。

採血、心電図、レントゲンを行い、必要に応じて心臓エコー、負荷心電図などを行います。

糖尿病の評価

腎臓病の患者さんには糖尿病を合併していることも多く、眼の障害、神経の障害、足病変、全身浮腫、電解質異常がある際はリスクをしっかり評価します。

採血、採尿を行い、必要に応じて脈波検査、眼底検査などを行います。

リスクを評価して腎臓リハを行いましょう。

10年前まで腎臓病だと運動してはいけないと言われてきましたが、ここ10年で運動をした方がよいと言われるようになりました。

専門的なリスク管理を正しく行った上で、腎臓リハビリテーションをして体力の向上、腎機能を守っていきましょう。