腎臓リハビリテーションの効果(腎機能を高める可能性がある!)

近年注目されている、腎臓リハビリテーションの効果について書きます。

腎臓リハビリテーションには身体機能だけでなく死亡率を下げたり、腎臓を守る可能性も期待されています。

腎臓病では身体機能が衰えやすい

あまり知られていませんが、腎臓病になると筋肉・骨が衰えやすいです。

結果、健常者に比べて身体機能が7割まで低下すると報告されています。

高齢化が進む日本では、高齢の腎臓病患者さんの寝たきり(フレイル・サルコペニアなど)が増えており問題になっています。


(Am J Nephrol. 2013;38(4):307-15)

上の図は、腎臓病のステージが重度であればあるほど、フレイルという寝たきりになる可能性が数倍に増えていくということを示しています。

驚きなことに、透析患者さんの約8人に1人が1日の半分以上をベット上で過ごしているという報告もあります。

腎臓病では活動量が予後を決める

腎臓病の患者さんの中で、日常の活動量がある人とない人で、生存率が大きく異なることがわかっています。

(CJASN 2014 9;1183-1189)

上の図は、歩行の習慣がある人(実線)とない人(点線)を比べており、週5日以上の歩行の習慣がある人はそうでない人に比べて約40%も死亡率が異なることを示しています。

そのため、腎臓リハビリテーションで身体機能を守り、活動量を増やすことで死亡率を減らすのではないかという事が期待されています。

運動で腎臓が良くなった

当初、腎臓病の患者さんの身体機能を守ることが主目的だった腎臓リハビリテーションですが、驚くべきことに腎機能を高める可能性があることがわかりました。

2015年に報告された研究結果が特に有名で、少し難しいかもしれませんが、内容を触れてみたいと思います。

この報告では、「特殊なプログラム」を行った人たち(点線)と、行っていない人たち(実線)を分けて12ヶ月観察を続けました。

特殊なプログラムを組んで12ヶ月を続けたところ、腎臓の能力を示すeGFRという値が改善したという内容です。

この報告で、次第に運動が腎臓に良いのではないかということが話題になり、この報告以降同様に腎機能を高める可能性があることがわかってきました。

現在、腎臓リハビリテーションで腎機能にどのくらい効果がでるか調べられています。新しい情報が出ればこのサイトでも情報を更新していきます。

運動と腎臓のメカニズム

運動による腎臓への効果のメカニズムは多岐にわたりますが、今回は主な3つを触れたいと思います。

① 筋肉の増加が与える影響

筋肉と腎臓には大きな関わりがあることが分かっています。

筋肉を保つことでカルボニル物質という血圧や血糖値を悪くする物質を減らします。

また筋肉が分泌するマイオカインという物質が腎臓を守る可能性があります。

② 有酸素運動が与える影響

有酸素運動により、腎臓の血流を調整する酸化ストレスに影響を与えます。

酸化ストレスを減らすことで腎臓の血流や腎臓を保護する可能性があります。

③ 腎臓の血の巡りの改善が与える影響

腎臓を巡る血管は非常に長く、血のめぐりがうっ滞しやすいです。

このうっ滞が、腎臓の酸素・血流量を低下させます。

運動運動で心臓の機能を改善させることで腎臓の血の巡りがよくなり腎臓を保護します。

腎臓リハビリテーションで腎臓を守ろう

腎臓リハビリテーションは現在大変注目を集めているリハビリテーションですが、整形外科のリハビリテーションのように週2-3回クリニックに来院して大きな機械を使って行うものではありません。

また日本の医療保険制度では、中々医療機関で腎臓リハビリテーションを行なっているところは少ないです。

現実的には、患者さんが自分の自宅でできる範囲行うようなプログラムを行う形となります。

例えば、日頃の歩く歩数を増やす、スクワットをするなど、日常の些細なところから運動を取り入れると良いでしょう。

特にストレッチ、レジスタンス運動、有酸素運動の3つが大切です。具体的な運動について知りたい方は「腎臓リハビリテーションの実際の運動内容」のページをご参照ください。

腎臓リハビリテーション.comでは自宅でできる運動療法を「Youtube」で配信しています。参考にして頂ければ幸いです。